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ACTBEWORKS MAGAZINEは、エンジニア・デザイナーのキャリアを考えるメディアです。理想のキャリアの築き方・働き方・生き方の参考になる情報を発信していきます!
今回の記事は、先日弊社で開催させていただきました、Freelance Meet Up in Osakaのトーク内容をテキスト化・編集・加筆したものです。
Yotubeでのアーカイブ動画配信、SpotifyでのPdcast配信も行なっておりますので、そちらもあわせてぜひチェックしてみてくださいね。
Freelance Meet Up in Osakaとは?
Freelance Meet Up In Osakaは、各地で活躍するフリーランスの方をお招きし、案件事情や、単価、ワークスタイルまで多方面からトークセッション・パネルディスカッションを行います。大阪のフリーランス業界を盛り上げるべく不定期で開催しているイベントです。
第六回目となる今回は初めてのオンライン開催!第一回目のFreelance Meet Up in Osaka登壇者に再集結していただきました。フリーランスを続けている伊瀬知さん、フリーランスから会社役員になった石村さん、法人を立ち上げた横山さん、皆様の前回から現在までの働き方や考え方の変化、今後のキャリアパスについて語っていただきます。
登壇者(パネラー)

伊瀬知 真実 氏
ウツセミワークス / フリーランスエンジニア
1986年鹿児島県生まれ。大阪で独立して広告業を営んでいた高校時代の同級生のアドバイスに衝撃を受け、ライフワークについて考え方を一新。「好きなことしかやらない」と決め、鹿児島から大阪に拠点を移してすぐに会社を共同設立。広告業務でDTP/Webデザインを行いながら、独学でフロントエンド周辺知識/スキルを習得。現在複数の案件でPM支援やDDD導入・開発基盤構築など、チームの円滑な開発体制を推進する潤滑油を担いつつ現場でコードを書く。最近はReact/Next.js案件でTypeScript、ときどきPHP・Rust・Kotlinを書いています。やっぱりフロントエンドエンジニアが天職。

石村 真一 氏
ACTBE Inc. 取締役 CTO
1987年8⽉9⽇ 兵庫県⽣まれ 新卒でシステム開発会社に就職し、7年でCTOポジションを経験。 案件提案から納品まで複数の受託開発案件を経験した後、2017年にフリーランスエンジニアとして独⽴。 独⽴後はWebのフロントエンドからバックエンド、インフラ、設計まで幅広い領域での案件を 個⼈受託しながら複数の企業へ常駐エンジニアとして参画。 2018年5⽉より、アクトビにフリーランスエンジニアとして所属し、エンジニア、 プロジェクトマネージャーとして⼤規模案件を受け持つ。 2020年4⽉に執⾏役員CTOとしてアクトビに参画し、実装も⾏う傍ら、フリーランスエンジニアの マネジメントや技術体制の強化、案件品質の担保に注⼒しエンジニアが最⼤限のパフォーマンスを 発揮できる現場環境と製品品質の担保に重点を置き、プロジェクト管理を⾏う。 2021年2月 ACTBE Inc. 取締役CTOに就任。

横山 翔一 氏
株式会社セントラム 代表取締役
高校、大学と情報工学を学び、WEBサイト運営に興味を持ち某アパレル企業に就職。 就職後、「フリーランス」という当時話題になった新しい働き方に興味を抱き独立。 2015年9月に「ZAKKAYA」を設立。友人と2名でフリーランスチームとして活動。大阪を拠点に活動し、地方在住のフリーランスの方も加入し年々メンバーが増え、約15名と共に ホームページやデザインを通して企業の販促支援やブランディング事業を行う。 2019年2月より「株式会社アクトビ」にCOOとして参画。WEB制作全体のディレクションを通して社内品質の向上を図るとともに、フリーランスのマネジメントにも注力。プロパーとフリーランスが共存しやすい環境作りを行う。 2021年4月にアクトビを退職し、2021年5月に事業開発支援、クリエイティブ制作に特化したデザイン会社「株式会社セントラム」を設立。 デザインを経営の中心(セントラム)に置いた提案を行うことで、事業開発・ブラッシュアップ等あらゆる場面で、デザインを武器に加速度的成長をサポートする。
モデレーター

赤塚 里奈
ACTBE Inc. Works Unit Consultant
1991年4月26日 兵庫県生まれ 2013年、大学在学中にフリーランスWeb・グラフィックデザイナーとして独立。 その後、2017年にデザイン事業と両立しながらトータルスタイリングサロンra-hmを開業し、 パーソナルカラー診断・骨格分析・ヘアメイクなど美容のお仕事もはじめました。 2018年9月からアクトビにフリーランスWebデザイナーとして所属。 妊娠・出産を経て今後のキャリアや働き方への価値観が変わり、フリーランスから正社員へ。 2021年からアクトビに就職し、ACTBEWORKS コンサルタントに就任。


今後のキャリアパスについて今考えていること

最後に三つ目のテーマ「今後のキャリアパスについて考えていること」について伺っていきます!
赤塚:二つ目のテーマでお話しいただいたことと重なってしまうところが出てしまうかもしれないですが、石村さんと伊瀬知さんには今後も現役エンジニアとして第一線として働き続けて行きたいのか、それと人材育成など別の方向で何か考えておられるかについて伺いたいです。
横山さんについては、今の会社や、ご自身のキャリアをどういう方向で進めて行くご予定なのかについて伺いたいと思います。
ではまず石村さんお願いします。
自身の技術的な最高責任者としてのスキルを維持しつつ、教育にも力を入れて行きたい。

第一線かは置いといて、エンジニアとして働くっていうことについてはこのまま自分がお墓に入るまではやりたいなと思っています。
石村:やっぱりまあ自分がそのCTOっていう立場では、技術的な所の最高責任者なので、そこに立っててもいいよねって周囲に思ってもらえるようにしておかないといけないかなっていうところも一つあります。
曲がりなりにも役員なんで、みんな困ってる時にええかっこしたいんですよ。笑
みんなが困っている時に「ごめん俺何もできねー」って言うんじゃなくて、フォロー出来るように自分がちゃんとエンジニアとしてコミットできるようにしておきたいっていうのはあります。
今の自分のモチベーションは、そこを(技術的な最高責任者としてのスキルを)最低限維持する必要があると思っています。
プラスアルファ、人を育成することは必要になってきてると言うか、今求められているところですし、何より力を入れていかないといけないところだと捉えています。
全く新しいことを始めるっていうことについては、自分は想像力が豊かではないので、どっちかって言うと今やってることを突き詰めていくことの方が向いています。例えば、エンジニアが軸になってそこから派生する仕事はやると思います。
ただ本当に全く新しいことをする、例えば飲食店を始めたりとかそんなことはしない予定です。
エンジニアとして、エンジニアの人たちと働くところは変わらず、これからは教育にもうちょっとコミットしていったりとか、
スキル的な教育以外にも、さっき話にあったようなお客さんとの関係を構築していくかとか、そういった部分の教育をしていく必要があると思っています。
今後は何より教育に力を入れていかないといけないと考えています。
自分のやってることに自信を持てることがやりがいに繋がる

今CTOとしてエンジニアさんを率いていらっしゃる立場で、今後チームや組織をどういう風にして行きたいといったイメージはありますか?

率いているっていう意識はあまりなく、上下関係を強く出すのもあんまり好きではないんです。ただ僕の想いとしては、一緒に働いてるチームのみんなが自信持って働けるようになってほしいです。
石村:自信を持って働くっていうことが、仕事のやりがいに繋がると思っていて。
やりたいことをやることが仕事のやりがいではなくて、自分のやってることに自信を持てることがやりがいに繋がるって本当に感じています。
自分がやってる仕事に対して強く自信を持てるようになって欲しいです。
自信を持てるだけのスキルだったりとか、それこそコミュニケーションとかそういった部分の力をつけていって欲しいなって思ってます。
海外の案件にコミットしたい

フリーランスのキャリアって難しいですよね。
人によって千差万別だと思っています。
伊瀬知:フリーランスって自身の強みを活かすパスじゃないと、なかなか継続した案件に結びつかなかったり、評価に結びつかなかったり単価交渉ができなかったりします。
これがフリーランスということなんですが、ポジション取りがすごく個人に委ねられていると思ってます。
僕自身としては、元々海外志向なところがあって。コロナ禍で難しくなっては来ていますが、今後海外の案件にコミットしたいなと思っています。
今年中に海外の案件を1つ取ることを目標に動いています。
そのために、英語の勉強も始めていて、英語の先生とかに協力してもらったりもしています。
足掛かりとして、海外のサービスでTopcoderっていうサービスがあるんですけど、色んな企業さんが抱えている課題をTopcoderにあげていって、コンペティション形式で課題解決する提案を投げるというプロジェクトがあるんです。
そこに登録して、海外の人と実際やり取りしながらその課題を解決するプログラムを書いてみたりしています。
これがちょっと、もうちょっとレベルが足りないと感じています。レベリングされてるんですけど、もっと上げて今年中にちゃんとまとまった案件を取りたいなと思っているところです。
明確にポジションっていうわけではないですが、エンジニアとしてのプランです。
一方で、育成の話についてですが、自分一人で今コミットする案件ってほとんどなく、チームだったり、どなたかと一緒にやることがほとんどです。
その時のパフォーマンスを最大化するための、引き出しをどんどん自分の中でも常に増やしていっていきたいという風には思っています。
海外案件を通して言語的な壁・国の壁へのブロックを自分の中で外していきたい

海外の案件を取りにいくことを目標にしてる理由は何かありますか?
例えば将来的に海外に行きたいとか。

海外に行きたいっていう理由もひとつにあります。
最初の話に戻るんですけど、どこに行っても大丈夫ということもあって、そのまま言語的な壁とか、国の壁もできれば自分の中でブロックを外していきたいという思いがあります。
一番大きい理由は、各国の年間収入の平均値の統計を出している組織があって。日本より高い国ってたくさんあるんですよね。こういうところに魅力を感じています。

実際に、案件の単価とか高いんですか?

見る限り確かにありますね。かなり高いって思う案件もあります。
今はまだ手が出ないと思うものもたくさんありますし、それはいい目標にもなり得るかなと思っています。
赤塚:フリーランスとはいえ、日本っていう海外にいる状態で、例えばアメリカとか他の国のお仕事にリモートで参画するっていうことは契約的に結べるものなのですか?
伊瀬知:各国の税制をクリアできれば大丈夫です。
現在は銀行バンキングはもちろん、それだけじゃなくてもいろんなサービスがあります。有名なところでいうとPayPalとか、他にも色々あるのでそれこそ仮想通貨でもらってる人もいるのではないでしょうか。(勘ですww)
今後もおもしろいことに挑戦していきたいと思ってます。
赤塚:おもしろいですね〜。今後の伊瀬知さんのグローバルな活躍に期待しております!
永遠にプレイヤーでいたい
赤塚:最後に横山さん、今の会社やご自身のキャリアをどういう方向で進めていく予定とかあれば伺わせてください。

フリーランスになったときからずっと言ってるのは、永遠にプレイヤーでいたいなっていうことです。
横山:だけどこれって別にデザイナーをバリバリやりたいとか、エンジニアでバリバリやりたいとかっていうお話ではないです。
実際に身体を動かして、自分を活かしてお金を稼ぐことができるポジションにいたいなと思っています。
社長席に座って指差しながらお金を稼ぐようなことではなく、自分も動いてお金を稼げるポジションでいたいです。
そのためには、自分が誰よりも最前線で新しいこと見つけてきて、何かやりたいことを考えることが好きな人間なので、その何か対してちゃんと課題を立てて、仮説立ててこれやっていきましょうかって話をしながらいろんなフリーランスの方たちとお仕事をしていきたいと思っています。
業界的なところは全く拘っていなくて、今は事業開発であったり事業開発に特化したデザイン会社をやっているんですが、業種で言うと同業のWeb 制作会社さんだったり、システム会社さんのお客さんもいらっしゃいますが、全く違う業種のお花屋さんだったりとかもいます。
そこが何かをしたいという時には、そもそも何をしていいかわからないというところから始まって、お店作るにはどうしようとか、そもそもブランド作るにはどうしようとかこの部分を形にするお仕事をしています。
僕たちも同じくで、今は会社にエンジニアの方が2名いるので、どちらかというとシステム会社とか、デザイン会社寄りの話になりがちですが、別に業界には特に拘っていないくて。どんどん新しいことチャレンジしていきたいなと思ってます。
クッキー屋さんやりたいなとか、お花屋さんやりたいなとか。冗談のようなことをずっと言ってるんです。笑
うちのデザイン会社としての力を活かして、ミニマムで事業デザインして、プロダクトの仮説立てて、作ってみて、検証して、ちゃんとビジネスになるのかとか、組み立てからしっかり組めることが、うちのデザイン会社の強みかなと考えています。
今後はこの強みを活かして、いろんな業界に首を突っ込みながら、何かしら社会にインパクトを与えられるような会社にしていきたいなと思っています。
新しいものへのアンテナの立て方・スキルのキャッチアップ

横山さんも伊瀬知さんも、新しいものとか最前線のものに結構アンテナが高い感じがするんですけど、情報収集はどこがメインでされていますか?
周りのフリーランスの方なのか、情報収集のコミュニティがあるのか、またはSNSなのか。

僕は、結構知り合いが多いかもしれません。
どっちかというと僕はアンテナ張ってる側ではなく、知っている人を凄いなぁって言ってる側です。

僕は、興味を持ったことだけに首突っ込んでるので情報収集とかは特にしていないです。
横山:余談なんですが、さっきなんでクッキー屋さんをやりたいって話が出たのかというと、僕はものすごい大きいクッキーが食べたいのに何で売ってないんだろうとか、そういえばクッキー屋さんって少ないなとか。
「僕が欲しいって思うぐらいだから、他にも誰か欲しい人いるだろう!」が起点になってるんです。
今関わっているお客さんの話だと、広告代理店さんが自社でいろんなWeb広告受けたりしてるんですけど、それに必要なバナーだったり、サイト制作とかで全部外注しているんです。
その辺のコミュニケーションコストとか考えると、何で社内にデザインチームを作らないんだろうとか、変えてみませんか?みたいな提案をして、そこからいろいろな話が生まれて行く感じです。
なので情報コミュニティがあるとかそういうのではなくて、疑問に思ったところに提案していっている感じなので、特にアンテナ張っているつもりはないです。
赤塚:自分の内から湧き出る、好きとか興味のあるものの対象に突き進んでいったら気づいたら入り込んで行くって感じですね。
横山:ちゃんとお客さん側とマッチするやり方を考えて、お客さんが成長する形に落としていくっていうのが今のやり方です。だから特にアンテナを張っているとかではなくて、まだ行き当たりばったり感があるなっていう感じです。

ちなみに石村さんは、先程CTOとしてスキル感的なところはちゃんと抑えておきたいと伺いましたが、例えば勉強だったり、何かスキルのキャッチアップのためにしていることってありますか?

勉強については、周りの知り合いのエンジニアと勉強会したりっていうのがたまにあったんですが、コロナでだいぶその機会も少なくなりました。
基本的には自分は勉強が得意な人間ではないので、仕事をしながら覚えていくっていうことの方が多いです。
石村:とにかく仕事をする上で、「ごめん、俺出来ません」っていう言葉を発しないと決めています。なんとしてでも実現するという腹の括りかなと思います。
赤塚:エンジニアさんもデザイナーさんもそうなんですけど、この業界ってすごくトレンドとか流れが早いと思います。
入れ替わりとか、そういうところのキャッチアップすることが今後できるのかっていうとこに不安を抱いてるクリエイターさんは多いと思うんですがいかがでしょうか?
基本はもう余分な業務にもどんどん取り組むという感じですかね?
石村:アンテナ高い方がいいと思います。
新しい技術は個人的な探究心でやっていくっていうのはもちろんすごく素晴らしいことだと思いますし、やった方がいいと思います。
大事なことはそれをどうアウトプットして、その組織の中に浸透させていくかっていうところだと感じています。
そういったところが強くできる人っていうのは、新しい技術をやる価値ってすごく大きいかなと思います。
勉強会も、個人で新しい言語のもくもく会みたいなものを開催しようとして動いていた時期もあったんですけど、コロナの影響もあって、それも無くなってしまいました。もともと情報収集を積極的にやらないこともありますが。
オンラインもないです、オフラインでも、勉強会というよりかは久しぶりに会ったから飲みに行こうという話になりがちです。オンラインの誘いって殆どないんですけど、たまに連絡をとっても議題が勉強会にはならないんですよ。
これもコロナでだいぶ関係が変わりました。
赤塚:コロナの影響は仕事の遂行面だけでなく、人間関係のコミュニティの取り方っていうのも難しくなってきてるんですね。
石村:そうですね。だからこそTwitterとかそういう所での情報収集がすごく大事なんだろうなと思います。
…思いますが、僕はTwitterのアカウント持ってるだけなんでTwitte持ってるとしか言わないすけど。笑
赤塚:素敵なお話ありがとうございました。今回は3つのテーマについてお話いただきました。
- 「Freelance Meetup in Osaka # 01のころから現在までの変化や実践していること」
- 「フリーランスを続けている理由 / やめた理由」
- 「今後のキャリアパスについて今考えていること」
なかなか聞けないリアルなお話ばかりでした。ありがとうございました!
それでは、またの機会でお会いしましょう〜!
今回は伊瀬知さんの「海外進出」の話が個人的にすごくワクワクしました。
わたし、実は小学校2年生の時から大学の途中まで約12年ぐらい?割としっかり英語頑張って勉強してたんですよね。親に大学4年生の時「わたしフリーランスになる!」っていった時も「あなたは何か英語を使った仕事につくんだと思ってた…」と言われました(そらね…習い事、留学費、学費諸々…ごめんなさいお父さんお母さん…笑)
なんで、周りは英語ペラペラで海外行っちゃった人とかグローバルなお仕事してる人とかが同級生にいたりして。自分はできなかった(というか挫折した)こともありなんかすごい憧れがあります。
今思うと、わたしにとっての当時の目標って「英語を使って何かがしたい(何かになりたい)」だったのですが、実際に活躍してる方を見てみると、先に「これがやりたい」「あれになりたい」があって、そのための「手段」として英語を学んでるんですよね。
英語に限らず、デザインも、プログラミングも、「デザイン(プログラミング)をできるようになる」を目標にしてしまうと、どこかで越えられない壁が出てくるのかなぁと。どんなデザイナー(エンジニア)になって、どんな課題を解決したいのか、どういう風に自分はコミットしたいのか。そこが見えてないと、モチベーションって保てないのかなあと。
結局何かを成し遂げる人ってここの違いなのかな…なんてふんわり思いました。
アカツカ